あのわたロス

認めていた記事がなぜか消えてしまったので新たに書くことにする。

 

舞台『あの子より、私。』の感想を書いていないことに気が付いた。正確にいうと私が今まで書いていたのは基君に対する感情や舞台上で気が付いたことなど記録がメインだった。私がこの作品を通して感じ取ったことや思ったことは恐らくまだ描けていなくて私の中でしっかり消化したいのでここに書き記したい。結局自分に言い聞かせたいだけなのだけど。

 

『あの子より、わたし。』のテーマは『比較』。誰もが他人と比べてしまうっていうのは日常的によくあるシチュエーションだと思う。比較は悪い事じゃないと私は思ってる。周りが気になるのは自然な感情だと思うし、比較をしながら人間は生きているわけで。「美人」「イケメン」という言葉だって誰かと比較をしなければ生まれてこなかった言葉だろう。『比較』の結果は競争でつくこともあれば個人の物差しで優劣がつくことだってある。この世界では誰かと比較することはとても身近で切っても切り離せないものなんだと思う。競争社会だもの。仕方ない。仕方ない。

そんな世界に嫌気がさすこともあるけど、考え方次第だと思った。

私は自分に自信がない。だから周りと比べて私って、と思ってしまうんだと思う。比較との共存ができるように生きられたら良いなあなんて思いながら今日も生きる。

生きていたら納得のいかないことなんてたくさんあるし、その度に昔は感情を揺らがせてたけど、たくさん考えると疲れちゃうから私はなるべく無でいられるように過ごせるようになった。喜怒哀楽を表現できるのは人間の素晴らしいところでもあるけれど、自分を守る故そう思わないように意識して生きることもまた、強さだなと思うようになった。

 

最近、いろんな人のブログや感想文を読んでいて、きらきら輝く推しについて私はどうやって書いたらいいんだろうって自分の文章の書き方に悩んでいました(現在進行形)。ずっと文章や感想文の書き方が人と違うなって感じていました。どうやったって周りの人と同じように書けない。それでも文章を書くことは好きだし友達に褒めてもらったり誰かに評価してもらえたりしたことは私の中で数少ない自信を持てた事の一つかもしれない。私の文章で何かを感じてくれる人はいるんだとおもった。

 

結果、この悩みも他人と比較しているから起こるもの。あれこれ考えずに私が書きたい文章を書けばいいんだよね。他人と同じ思考なんてはじめから持ち合わせてないんだからそもそも比べたってしょうがないよねって思ったら少し楽観的になれた。

 

私は人と比べて自己嫌悪で落ち込んでしまうことが多いので私と同じように悩んでいる人にも伝えたい。人には得意不得意があるんだよ~って。それぞれ違う人間なんだから持っている個性も能力も環境も違う。周りと比べる必要なんかなくて、大事なのは自分はどうしたいか、どう生きたいか。他人なんて関係ない。他人と比べなくていいんだよ。貴方には貴方の素敵なところがたくさんあるんだから大切にしてください。貴方の魅力はたくさんあります。あとね、周りを気にして本当にやりたいことをやらないのはもったいないし自分の可能性を潰さないでほしい。自分の心に耳を傾けてやりたいことを思う存分やって欲しい。

 

私はこの舞台を観て出てくる登場人物の中で楓と英美香と彗に似ているなと感じた。(ちょっと多いね)

相手を傷つけてしまうと思って全てを言わない選択をしたり悩みを外に吐き出せなかった楓と、好きなものに対して熱量があるえみか、周りの様子を伺いながらバランスをとる彗。なんだか似ている要素が多い登場人物が多くて親近感が沸いちゃった。誰か1人というよりもこの人のこの部分わかるなっていう共通の部分が誰かに当てはまることが多くて共感する部分が多かった。

 

舞台を観たときの楓と夕美のあるシーンのやりとりが忘れられなくて今でも思いだすとしんどくなる。2人が本音で話し合う後半のシーンで、私は縁を切った友人のことを思い出していた。小さい頃からの友人で、部活も一緒。好きなものに対しての熱量が一緒だったからいろんなことを共有できた友人だった。

理解してもらえないとわかったとき、悲しかった。こんなに脆いんだと思った。それでも何かある度にあの子を思い出してしまうのは、まだどこかで大切だと思っているからなのかなあ。別の友人と話をするときに、会話の中に出てくる「友達」はいつも貴方でした。

それだけ一緒にいたから思い出もいっぱいあって私の生活から貴方をすべて消し去ることはまだ難しいみたい。私はずっとあなたが羨ましかったよ。いつも自信があって私とは正反対だったから、隣にいていいのかなってずっと思ってた。いろいろあったけどなんだかんだ感謝はしているんです。もうそんなことを伝える日は一生来ないんだけどね。

 

関係を戻したいとは思わないけれど、それでもどこかであの時わかりあえる方法はなかったんだろうかと考えてしまう自分がいる。舞台を通して古傷をえぐられてしまうことになるとは思わなかったけど、きっと向き合って前に進まなければいけないのだと思った。

もう二度と同じことを繰り返さないように。逃げるな。しっかり向き合え。前に進め。そしたら私はまた強くなれる気がする。

 

私は舞台の中で兎谷父の言葉がすごく心に残ってる。

『相手にあって自分にないものなんてそもそも考えるものじゃない』

何気ないお父さんの言葉はこの舞台のメッセージを代弁していると思った。周りと比べてしまいがちな私に刺さった言葉でした。

登場人物の中で兎谷父だけは誰とも比べなかった。我が道を行くような、周りなんて気にしないで彼だけの世界で生きてた。父親なんだけど、1人の人として生きていたように思う。その自由度がきっと、彗は羨ましかったんだと思う。周りの声を気にして比べられるのが怖くて前に踏み出せなかったんだよね。

私は何をやってるんだろう。やりたいことはあるのに失敗を恐れて前に進もうとしない。レールから外れて普通じゃない道に進むのが怖くて何もしていない自分に嫌気が差す。

 

時間はかかってもいい、やらなくて後悔をするくらいならまずはやってみる。ねえ私、そろそろ前に進まない?私のやりたいことなんてもうとっくのとうにわかってるんじゃないの?書きなよ、進みなよ。

 

この舞台でいろんな想いを抱かせてもらった。正直、苦い思い出も振り返ることになったし自分の心の中のモヤモヤを覗いている気分にもなった。それでも終わった後にほっこりして今日も頑張るか〜と思えたのは、素敵な脚本とこの舞台のキャストのお陰なんだろうと思う。

基君を通してこの舞台に出会えてよかった。あと1年は恐らくこの舞台のセリフを日常生活で思い出して会話の中に組み込んでしまう予感がする。

 

私は私を大切にしてくれる人を大事にしたいし周りの人と良い影響を与え合いながら生きていきたい。

 

基君、素敵な作品に出逢わせてくれてありがとう。

あの役は当て書きだったんだね。基君のために書かれた役だなんてきっとすごく嬉しかったよね。彗君と誠治君を演じる基君は、彗君なんだけど基君で誠治君なんだけど基君で、作品の中で基君を垣間見れてなんだか不思議な気持ちでした。

きっとこの作品を作り上げるまでに悩んだことも多かったと思う。基君の素敵なところは自分の能力を過信せず努力を怠らないところ、現状に満足せず上を目指し続けるところ。いつでも周りへの配慮を忘れないところ。私たちへ感謝を伝えてくれるところ。

幕があがり日を追うごとに基君の演技が変わっていくのが分かった。細かい仕草や表情、間合い。役者 基俊介の成長過程を現在進行形で見ることができているのだと感動したし、本当に幸せな舞台期間でした。ありがとう。

それと基君がこれまでやってきたボイパが作品に組み込まれていたのは本当に嬉しかったです。毎回同じではなくて回ごとにアレンジを加えてボイパを披露する基君が本当にかっこよくてもっともっとすきになりました。基俊介の武器は他のグループにはないIMPACTorsの大きな武器。誇りです。宝です。貴方の特技は唯一無二です。もっともっと自信を持って大きくなってほしい。これからもその宝を共に守っていきたい。

 

私は今、間違いなくあのわたロスです。次の現場まではもう少し浸らせてね。

基担になれて本当にしあわせです。ありがとう。