kappa@品川プリンスホテル ステラボール

私が初めてジャニーズの現場に足を運んだのは、織山君出演の舞台「ELF」だったことを思い出す。初めて生で織山君を見た時、本当に綺麗な顔立ちをしていて思わず見惚れてしまった。まっすぐな目と透き通るような端正な顔立ちに目が離せなかった。ジャニーズって本当にかっこいいんだ…そんな感想を抱いた。彼の表現力には底知れぬ可能性を感じる。私の性格的に静かにその作品の世界観を楽しめる舞台の方が向いているみたい。舞台の楽しさを教えてくれたのは彼だったのかもしれない。

 

彼を初めて見たのは、深夜ドラマでやっていた松岡昌宏主演の「死役所」

その第1話に登場した男の子が目に留まった。肌が白く綺麗な顔をした男の子。その時は好きな顔だな…なんて思いながら見ていた。ジャニーズを好きになり、当時気になっていた男の子があのドラマの子だと知った。私はそういうことが良くある。点と点が繋がるようなそんな感覚。自分が一度好きだと感じたものは、忘れていても時を経てまた戻ってくる。

 

 

2021年6月8日 空想科学劇 「Kappa」 主演:織山尚大 出演:青木滉平

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芥川龍之介の「河童」を現代風にアレンジした創作劇。人間の第23号が河童の国へ行きそこで様々なことを学んでいく。言葉を学び、河童の国で暮らすうちに自我を覚える。舞台を観て思ったが比較的自由が利き、演者のアイデアを積極的に取り入れてくれる舞台だなと思った。劇中の織山君の無音ダンスは本人が言ったことで実現したし、青木君は得意のトランペットを披露する。トランペットのマウスピースを使い演奏する場面では、毎回訪れる見学者に合わせて奏でる曲を変更して演奏していた。一言二言アドリブで変えていく舞台は多いが、あそこまで型にはまらず表現する舞台はそう多くない気がする。舞台は生もの…本当にその通りだった。そしてそれは10代の彼らにとって表現力や対応力を養う大きな経験になったのではないだろうか。今後の活動をしていく中で必ず彼らの大きな自信に繋がっていく作品になるだろうなと思った。

 

会場は品川プリンスホテルステラボール。横長に広く傾斜のない会場はセンターブロックの中央以外は非常に観にくく死角が多い。俗に人権のない会場として有名なようだった。舞台には不向きとされているようで、正直舞台までドキドキが止まらなかった。

 

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図を見ると本当に見えない部分、観にくい部分が多すぎる…

舞台に対してのドキドキよりも自分が観る場所は視界の面で大丈夫なのかといういつもとは違う不安に駆られた。当日までに席はわかったものの、どのような構成になっているのかはわからず不安の中会場へと足を運んだ。

 

私の席はH列センターブロック下手側の端っこだった。ネットに載っている座席表などによると、比較的見やすい人権のある席だということが分かった。(なんならとても見やすい?)少し安堵した。実際席に着くと、私の2列前から2列ずつで段差が付けられ視界はクリアな状態であることが分かった。あと、私の前は空席で本当に遮るものがなかった。

つくづく運が良いらしい。というか最近席運が非常に良い気がする。

 

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会場内のお客さんの年齢層は織山君や青木君が10代ということもあって比較的若かった。制服の子もちらほら…大学生が多めといったところだろうか。私のような20代半ば、しかも仕事帰りのOLみたいな恰好(本当に仕事帰り)をした人はあまりいなくて少し珍しかったと思う。ただ、隣の女性は私と同い年くらいの織山担だろうなと思った。双眼鏡を構えるタイミングが一緒で思わず笑いそうになった。多分見ている観点が似ていたんだろうな。きっとお友達になれると思った。(なってないが)

 

20代半ばの女が高校生目当てで見に行くのはなんとも申し訳ない気持ちになる。これが自担までいかない理由でもあるのだが。ただ織山君の演技が好きなので叔母の気持ちで終始見守る。ああ、好き…みたいな恋煩いは起こらないので最後まで冷静に見ることができた。

観劇から1週間が経つが、内容も表情も割としっかりと覚えてる。

 

 

彼の”命を削った”渾身のダンスには圧倒された。そこにいる人全員を釘付けにしてしまうような迫力のある踊りは、本当になんと表現していいのかわからないくらい凄くて、瞬きをすることを忘れてしまったくらい。(ドライアイなのでめっちゃしんどかった)

織山君は舞台の上でこそ輝く人だなあと思った。センターというより個人で主役をはるようなそんな人。グループじゃなくてソロの方がより織山君の良さが出るなあと感じた。

 

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実は私は織山君が所属するグループに興味がない。平均年齢が若く高校生が多いということもあるし、私の年齢でグループとして推したいと思えるほどの魅力を感じないのが正直なところだ。

ただ、その中でも一際輝いて見えたのが織山君だった。一人だけダンスの質と気迫が違った。ダンスに懸ける強い思いをパフォーマンスから感じた。このグループにいることが勿体ないなと感じている。今の彼にとってあのグループは物足りないのだろうなとも思う。

 

 

作品自体は、とても不思議で最初の15分くらいはひたすら同じ日常の繰り返しだった。

“おはよう” “いただきます” “ご馳走様” “いってきます” “ただいま” “おやすみなさい”

一日の流れをひたすら10回くらいはやっていたんじゃないかと思う。(途中から飽きてきた)

正直、あの作品はよくわからなかった。多分、考えれば考えるほど分からなくなる。やっている本人達でさえ原作を読んでも台本を読んでもよくわからないと言っているんだもの、わからない。でもわからなくていいんだと思う。彼らが感じたものを少しでも感じ取れれば、物語がどんな結末だったなんてぶっちゃけどうでもいいんだと思う。

 

織山君の無音ダンスは本当に迫力があって圧倒された。滝沢歌舞伎のMaybeのラウールを彷彿させる。きっと織山君はラウールを意識しているところもあるので比べられるのは心底嫌だとは思うが。例えるならばそれだけの衝撃があったということだ。ダンス歴10年の大ベテランはやはり群を抜いて上手い。ダンスになった瞬間、顔つきも動きもまるで変わる。これから始まるという切り替えがはっきりとわかる。織山君のダンスにはオーラがある。

 

少年の心情が次々と切り替わっていく様子がダンスで表現されていたり、初めは表情こそ硬かったものの中盤からは表情が柔らかくなっていたり…。舞台上での成長していく織山君に可能性を感じたし、いきいきとしていたなあと思った。ダンスは自信に満ち溢れていてのびのびとしていて、これが織山君の表現したい世界なのか…。舞台を観にきて彼のパフォーマンスが観られるなんて思ってもみなかったからなんだか得をした気分。サマステが外れた後だったので尚更嬉しかったなあ。出演者や青木君と目を合わせながら空気を感じとり作り上げていく様子がなんとも微笑ましかった。悲しそうな表情や嬉しそうな顔、一つ一つの心情に引き込まれた。きっと、彼らにとってこの作品は人生の大きな経験になるのだろう。その場に居合わせることができたことが何より嬉しかった。

 

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それと、座席の位置が良かったらしく織山君の0ズレが非常に多かった。(段差もあったし私の前の席が空席だったからめちゃくちゃよく見えたと思う)織山君が目線を挙げた先がちょうど私がいるあたりで本当に何度も目が合い、その度に本当に綺麗な顔をしているなと思った。滴る汗も、今この瞬間全力で向き合っている証で、これが生ものなのだと息をのんだ。

楽しそうに話す可愛い織山君もたくさんいました。

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ちなみに今回の見学者は3名。少年忍者の川崎星輝、瀧陽次朗、そしてTravisJapanの川島如恵留。私は日々のえまる(ジャニーズWEB川島如恵留個人ブログのえまる)の言葉に日々救われているので、この誕生日前日というタイミングで逢えたのは個人的に本当に嬉しかった。今日も生きてて偉い!そんなことを言ってくれる人はなかなかいない。むしろそれだけでも偉いと褒めてくれるのか…嬉しかった。ちょっと生きるのがしんどいなと思っている時にこういう些細な言葉が染みたりする。私は陰ながらめちゃくちゃのえまる信者である。

のえさんは黒髪にスーツ。聖母のような優しい微笑みで後輩の姿を眺め、笑顔を向けながらたくさんたくさん小刻みに拍手をしていたなあ。(のえさんがいつもする拍手。めちゃくちゃ溶けてるやつ。これ)

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青木君が舞台の中でトランペットのマウスピースを使って曲を演奏する場面があるのだけど、毎回見学者に合わせて曲を変えているようで(その対応力がすごい)、この時はTravisJapanのオリ曲「夢のHollywood」だった。大好きな大好きな曲を後輩が演奏する姿にジーンときてしまったし、やはり誕生日前日という1年の締めの日に聴けたのは特別嬉しかったなあ。

 

織山君と青木君はカーテンコールで見学者席(2階)に笑顔で飛び跳ねながら手を振っていてその姿がとってもとっても可愛かった。最後に上手に消える時もお客さんに向かって少し恥ずかしそうにはにかみながら両手で手を振ってサヨナラをしてくれた。

私も思わず手を振った。可愛い織山君の笑顔が見られて嬉しかった。難しい年頃で悩むことも多いしきっとたくさんの壁にぶつかると思うけど、自分に素直でまっすぐな男の子。君の理解者が増えていくといいなと思う。

 

今回は誕生日前日に敢えて予定を入れた。1年の終わりは幸せな気持ちになりたかった。素敵な日にしてくれてありがとう。

 

 


また織山君に舞台や演技の仕事が舞い込んできてほしい。心からそう願う。

 

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